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思い出した2012年の春 [川崎フロンターレ]

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あまりにも悔しい大逆転負けだった。なんというか、サッカーという以前にスポーツというものが持っているリアルさをこれ以上ないほど感じてしまうゲームだった。

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こんな結末になった原因は、そりゃ選手がコメントで言うように「(車屋の)退場がすべて」ということにはなるんだろうと思う。でも冷静に見れば「得点差的には有利で、戦況的には不利」という複雑な状況への対応がカギとなったわけで、つまりこのチームにはそういう能力が足りなかった、という形で「負け」を認めるというのが正しいのかな、という気もしている。

多くの人は、2009年のACLで名古屋に逆転負けを喫したケースを思い出すんだろうけど、僕は当時リアルタイムで見ていなかったこともあって、ちょっと違うものを思い出した。僕の頭にぼんやりと浮かんだのは、2012年春のことだ。

あの春、フロンターレは浦和相手にアウェーでなんと2人多い状況で勝ち切ることができなかった。浦和が先制し、後半、フロンターレが追いつく。その後、浦和は74分に阿部、80分に槙野が退場してしまう。その最後の15分プラスアルファの時間で、フロンターレは勝ち越し点を決めることができなかった。確か、スタンドからはブーイングが巻き起こったと思う。

でも、もっと強く頭をよぎったのは、その次の試合、ホームのFC東京戦だったりする。

このゲームは、前半はスコアレスドロー。後半開始早々に長谷川アーリアジャスールが退場して1人多い状況となったが、最後まで得点できず、逆に終了間際、CKから森重に決められて0-1で敗れてしまったのだ。ブーイングどころじゃない。これを最後に、相馬監督は解任されてしまったほどだ。

このFC東京戦で思い出すのは、数的有利な状況にも関わらず、ほとんど互角にしか見えなかった後半のゲーム内容だ。東京はよく走り、効果的にボールを繋ぎ、時間帯的にはフロンターレが押し込まれてブロックを敷くシーンも多く見られた。

試合後、東京のGK権田は、こんなことを言っている。Jリーグの公式から。

「数的不利な練習で繋げなくて怒られるという超理不尽な練習をしていた。その時のことが頭をよぎった選手も多いと思う。今年ラインが高くなったが、どうせやられるならやりたい事をやってやろうと。プレーが切れるたびに下がったらダメだと思ってやっていました」

当時の東京の監督はランコ・ポポヴィッチ。彼のコメントはこうだった。長いけど公式から引用。

「早い判断力。そして、運動量。そしてボールをうちの方が握ることでリスクを避けました。たとえばうちが少ない人数でボールを回すことで相手は少ない相手に回されるとナーバスになりますし、逆にラインをズルズル下げてしまうと相手にとってチャンスになる。うちにとってはピンチになる。自分たちのラインを下げて、自陣のゴールの側でボールを弾かなければならなくなる。ボールを奪わなければならなくなる。それだけ相手に点を取られるリスクも高まると私は考えています。それで高いラインを保ち、判断を早くして、そして動く。そういう形でリスクを回避しました。とにかく一番に言えるのは相手よりも賢く戦えたということ。それに尽きると思います。ただ、それは私がやったのではなく、うちの選手がやったわけで、うちの選手を褒めたいと思います」

当時、この「数的不利な状況の練習をしていた」ということに驚愕したことは、よく覚えている。それ以降も、そんな練習をしているという話はどんなチームでも聞いたことがない。

だからもちろん、そういう練習をしておくべきだった、なんてことを言いたいわけじゃない。でも、浦和側の気持ちになれば、1人多くて、でも得点差は不利なのだから、まさに焦って前がかりに出る以外には考えられない状況なのだから、そこを逆手に取るべきだった。フロンターレが、いつものクオリティのサッカーをベースに1人少ない状況用にアレンジして展開できれば、浦和はポポヴィッチが言うようにどんどん「ナーバスに」なっていく。チームの意思統一に綻びが出たり、ミスが多くなったりすることも期待できる。それなのに、よりによってドン引きはないだろう。しかも谷口ボランチという、守備でも攻撃でもうまくいった試しがないフォーメーションにしちゃうなんて。

もともとサイドが高い位置を取ることが強みでもあり弱点でもある浦和は、この状況では当然、その特徴を全面に押し出してくる。なので、両サイドだけは人を付けてぴったりマークし、中は1人少なくてもとにかく固めて、ひたすら弾き返す。

もしボールを奪ったら、とにかく高い位置を取っている相手のサイドの裏へ前線の選手が走り、そこへボールを出す。となれば、まずは交代で投入すべきは長谷川だったろう、と思う。

そうやってロングカウンターの形になっても、もちろん、よほどのことがない限り中央の相手ゴール前も数的不利だろうから、現実的な狙いはコーナーキックを取ることが優先ということになる。そうなれば、相手は戻って来ざるを得ないし、その分、時間も相当稼げる。

というのは見ているだけだから言えることで、昨日の浦和の選手の球際の強さはそうやって口で言うことを簡単に実行させてもらえるものじゃなかったというのは、よくわかってもいる。でも、あそこでドン引きの判断は、絶対に間違いだったとも思う。

思えば、フロンターレはもう何年も、「いかに相手を圧倒するか」だけを考えてきた。サッカーの内容もそうだけど、選手のメンタルも、そこに特化してきた。そのツケが、こんな形で出た。ほとんど唯一といっていい、最も苦手な状況が、リーグ戦の1試合ではなく、トーナメントの大事なところで来てしまった。そういうことなんじゃないか。

すごく残念だけど、でも負けてしまったものはしょうがない。今すべきことは、この経験を後に活かすことだと思う。

つまり、残ったカップ戦で、もしまたこんなタフな状況に陥ったとしても、今度は動じないこと。

そして、このままリーグ戦でも崩れていったりせず、来季のACL出場権を獲得し、リベンジすること。中2日で次のゲーム、というこの状況で、そういう方向にチームを導けるかどうか。すべては鬼木監督のマネジメントにかかっている。期待してます。

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夏の終わりの皮算用 [川崎フロンターレ]

お久しブリーフ! とアジアで、いや世界で初めて口にしたのはダンディ坂野だったような気がするけど、じゃあお久しブリ大根! は誰だったっけ。道場六三郎? 違うか。お久しブリトニー・スピアーズ!は? そもそも今思いついただけなので、誰も言ってるわけないか。

ともかく、ぜんぜん更新しないうちにいつの間にか夏がほぼ終わりかけててびっくりした。今年は湿気ばかりがひどくて強烈な陽射しの印象がないまま7月が過ぎていって、秘かに「まだ梅雨明けしてない説」を唱えてさすが!目のつけどころが違う!みたいな感じで感心されようとしてたんだけど、まさかそのまま秋の気配が漂ってきてしまうとは誤算だった。

今年の夏は、札幌にこそ行ったけど、福島、新潟のいわゆる「夏競馬」開催にはいちども行けなかった。もちろん小倉もだけど。その代わり、フロンターレの試合はずいぶん行った。いや、仕事じゃないので特に何の代わりにもなってはいないんだけど。

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甲府では、ほうとうも食べた。

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花火も見た。花火大会なんてもう何年というか何十年もわざわざ行ったりしてないけど、ひと夏に1回は、どっかのスタジアムで花火を見せてもらってる気がする。清水戦とか磐田戦とか。花火って、たまに見るといいよね。なんかすっきりするというか、気持ちがゆったり大きくなれるような気がする。本当に。

競馬は今週から秋競馬、開催が中央に戻ってきたけど、Jリーグも、いよいよ終盤戦の匂いが強くなってきた。天皇杯とかルヴァンカップとかACLとか、カップ戦もここから佳境に入るし。きっとここからあっという間に日々が過ぎて、気づいたらもう年末じゃん!ぜんぜん更新してなかった!お久しブリックパックのフルーツ味!とか叫んでるんだろうな、いやになっちゃうよな、もう。

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マリノス戦、圧勝に近い完勝だったねえ。この気持ちよさは、このカードが広義の意味で「ダービー」であることの何よりもの証明な気がする。内容より、とにかく結果、勝敗というか。

まあ今回はその内容も文句なし。感触としては、鹿島をホームでやっつけた時と似ているかな。

凄いと心から思うのが、今シーズンはいわゆる「風間サッカー」に球際の厳しさとハードワークと守備の意識をプラスした、みたいな言い方がよくされていて、実際まさにそういうサッカーが実現されているんだけど、それって口で言うような簡単なことじゃないはずなのだ。

普通は、目指すサッカーがあったら、それに合った選手をチョイスして、指導していくことが必要なはずなわけで。現在いる選手たちの資質が、たんにボール捌きのテクニックだけでなく、そういう方向でも伸びしろがあったということ自体が、まずすごいことだと思う。

加えて、例えば2年くらい前のフロンターレと現在を比べると、前線ではレナト&嘉人が阿部&家長に代わっているわけで、ハードワーク、守備、という意味では、この変化ってめちゃくちゃ正解というか、長いスパンで考えて前向きな補強だったということをあらためて感じるのだ。

阿部ちゃんに関しては、そういうサッカーを志向する鬼木があらかじめ強い希望を出してオファーした、ということが容易に想像できるけど、家長に関しては、長らく「他のチームメイトがハードワークして奪ったボールを家長に預ける」というサッカーを大宮でやってきたわけで、それをチームのために走る、という役割を優先させることで結果的に目指すサッカーにフィットさせた鬼木の選手マネジメントは、これは相当賞賛されるべきものじゃないか、という気がする。

逆に嘉人やウタカを獲得したFC東京なんかは、篠田体制2年目の今年初頭は、じつは前からのプレッシングサッカーを志向していたとのことで、その補強、編成からまずちょっとズレていた。三田を出し、阿部拓馬や河野を放出というか、シーズン途中で出て行かれたのも、目指すサッカーに最低限、必要な人材の流出という意味では、失態とすら呼べる。おまけに嘉人がそんな中で異分子的に「つなぐサッカー」を浸透させようとするのを抑えきれず、中途半端に尊重したまま使い続けるマネジメントは、そもそも何がやりたいんだこのチームは、と言われても仕方ないものだと思う。腹が座っていないというか。

まあそこから森重と室屋が怪我したのはかなり痛かったと思うし、中島の移籍で、攻撃も完全に手詰まりに。このところの崩壊は、とどめのようにCBのチャン・ヒョンスが怪我でいなくなったことが直接の契機だとは思うけど。

マリノスは、まあ本人たちやサポがいちばんよくわかっているんだろうけど、サイドで裏に走る齋藤学とマルティノスしか攻撃のストロングポイントがない、という単純さが、先制されるといきなりきつくなってくる理由だと思う。あと武器はアマジュンのセットプレーのキックくらいで。

先制されずに我慢比べをというのがマリノスの狙いなんだろうけど、サイドに比べて中央の守備が固そうに見えてそれほどタイトじゃないというところを、今回はうまく突けたと思う。深い位置ではボンバーが待ち構えているけど、バイタルではわりと前を向き放題で、もちろんそれはボランチの意識がサイドに行ったところを中央に戻す、という作業をフロンターレが繰り返しているからそうなっているわけだけど、それにしても、という感じだった。あそこまで憲剛、大島、ネットが楽に前を向いてボールを持てたらね。憲剛が早い時間帯にそのあたりからミドルを1本、打ったけど、あれはまさにそういう狙いを体現した、あるいはチームメイトへのメッセージ的な意味があった。大島のミドルの伏線になったんじゃないかという気がする。

このあとは怒涛の連戦。まだ誰も指摘してないけど、もしACLとルヴァンカップでどっちも決勝に進めれば、10月末から11月頭の日程がアホみたいなことになりそう。中1日でリーグ戦とか、中2日でガンバと連続対戦、とか。勝ち進んだチームだけじゃなく、リーグ戦の相手も理不尽な日程を強いられそうな気配があって、きっといろいろ不満の声が出てくるんじゃないかな、という気がする。

まあしょせん、獲らぬ狸の皮算用ではあるけど、でもルヴァンに関しては狸を獲ったからこその皮算用なわけで。なんてね。

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札幌で札幌戦と札幌記念 [日記]

試合開始前に豪雨と雷に見舞われたホーム等々力のコンサドーレ札幌戦。いやあ、すごい雨でしたねえ。靴なんてもうびしょ濡れ。雷もすぐ近くに落ちまくっていて、よくまあ停電とかにならなくてすんだもんだ。ほんと、怖くてしょうがなかった。



ごめんなさい、ウソです。その日、等々力には行ってませんでした。で、どこにいたのかというと・・・



札幌にいました。

仕事で行けなくてシーチケを無駄にしちゃうこと自体は、まあたまにあることだからしょうがないんだけど、よりによって札幌が等々力に来て試合やってるってのに、自分は札幌にいるとは。なんか都内とかで仕事が入ってるケースなんかよりよっぽど損した気分になるのはなんでかな。

で、ホテルでdaznとか見ることもできるんだけど、それじゃなんかつまんない。なんといっても、札幌にいるわけだから。

というわけで、スポーツバーに行ってみました。札幌にはHUBはないので、ネットで探して、電話して確認して、前日に一軒、満席だと言われたんだけど、同じように放送してる店をご紹介しましょうかと言ってくれて、そこへ電話したらなんとか席があって、潜り込めました。

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当日はぎっしり満席で、当たり前だけど札幌サポだらけ。でもそれでひるむわけにはいかない。持っていったユニ来てタオマフ巻いて、入場時にはそれを掲げて、憲剛のゴールでジャスティスやって。

・・・ごめんなさい、ウソです。普通の服で、おとなしく観戦してました。

一人だったら本当におとなしく見て誰にも気づかれずに帰れたのかなと思うけど、仕事で来てた同行者に話したら興味を持って、じゃあいっしょにメシがてら行こうかということになって、その人と話しながらというか、いろいろ教えたりしながら見る形に。となれば当然、近くの席の札幌サポは、なんかこいつらへんだな、と気づいていたはず。ごめんね。でもまあ中立のサッカーファンを装い、波風立てるような言動は謹めたし、特に問題もなかったのでよかった。

にしても、相手サポの中で観戦するというのは、そうあるもんじゃない。実際、なんか面白かったなあ。

観戦者の気持ちにぐっと力がこもるのは、カウンターの場面。CKやFKは、全体の期待が高まってわくわくする感じに。都倉にはけっこうみんな評価が厳しくて、逆にジェイはあんな守備しないのに好感持たれてる感じ。チャナティップはみんな大好きだけど、これはまあ川崎側から見ても気持ちはよくわかる。奈良については、お、奈良ちゃんだ、とか、今の奈良ちゃんか、みたいな感じで、ちょくちょく名前が聞こえてきた。

そんで、マセードは完全にお笑い枠みたいになっていて、ボール持ったり、アップで抜かれたりするだけでも笑いが起きてた。ほら、やっぱりダメだ、ほんとにもう、みたいな感じで、不思議と怒ってる感じじゃないんだよね。これいちばん面白かった。

川崎が押し込んでるときは、あー、これいずれやられちゃうんだろうな、みたいな空気。で、実際に崩されて失点しても、あそこまで入り込まれちゃったら、こうなっちゃうよね、というような会話が聞こえてきた。逆に、こちらが決定機を外したり、GKがセーブしたりすると、喜びの拍手が起こってた。

試合が終わると、あー、勝てないなあ、みたいな空気で、基本的にはみんなさっさと帰る感じ。怒ってるような空気はなかった。そういえば試合前、雨の映像を見て、たくさん降れば何かが起こる可能性高くなるからいいかもね、みたいなことを言ってた札幌サポがいたけど、札幌って試合も練習も、雨にあんまり慣れてないと思うんだけどな。どうなんだろ、そのへん。

あと忘れてた。試合後の憲剛のインタビューで、こんな雨の中、川崎サポも、それから札幌サポもいっしょうけんめい応援してくれて、ありがとう、というようなことを言ったときには、店内の札幌サポからもざわっと声が出て、みんな嬉しく思ったのがよく伝わってきた。

ゲームについては、まあいいよね。個人的には、エウソンのフィジカルコンディションが上がってきてなくて重そうなのが心配。うまくターンオーバーしてほしいもんだな。あと家長は文字通りフィットしてきているのが明らかだけど、いわゆるトップ下的な位置で憲剛とポジション争いをする形にはならず併用される現状には、プライド的な部分でモヤッとしたものは残っていそうな予感がする。憲剛もそのへんは気を使ってそうに見えるし。意外とここは緊張感のある状態なんじゃないかな。

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で、次の日は札幌競馬場で札幌記念の取材。

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天気も良くて、凄まじい混雑だった。

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モーリスの弟、ルーカスは、ウワサ通りの馬っぷりの良さ。ただ、気持ち的にも肉体的にもそれを持て余し気味な感じで、レースを使っていくことでそのへんがどう変わっていくのかが見もの。持て余さなくなると、それはそれで脚元の怪我の心配が出てきたり、距離がもたなくなったりするという方向へも、行かないとは限らないわけだし。

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あと、モレイラ人気は凄かった。

札幌記念は獲れなかったけど、アタマはサクラアンプルールかヤマカツエース、パドックで最も、それもダントツに良く見えたのが2着のナリタハリケーンだったという負け惜しみだけ書き残しておきます。。。マジ悔しい。藤岡康太騎手は検量室前でエージェントの人に「モレイラやったら勝ってたなあ」と言われ、ほんとですよ、あー! みたいに悔しがってた。ほんとだよ、いっそ勝っちゃってくれてたら、こっちも諦めつくんだけどなあ。。。

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鹿島戦と家長とドラクエ [川崎フロンターレ]

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いやあ、いろんな意味で今季ベストゲームだった。こんな最高の夜は本当に久しぶり。これでまた次の日から仕事とドラクエ頑張れるよ。ありがとう家長。ありがとう阿部ちゃん。ありがとう鬼木監督。ふざけんな終盤は必ず負けてる側にジャッジが甘くなる西村主審。

あんな強さを感じさせるゲームができた要因はいくつかあるけど、いちばんは、前線からの守備が復活したことだと思う。鹿島の最近のゲームをちゃんと見てないのでそのへんは推測だけど、三竿のボランチって、レオシルバが比較的自由に、しかも前がかりにポジションをとるせいで低い位置のビルドアップに問題があって、そこを突こうっていう意識もあったのかなあ。

いずれにせよ、急ぎすぎる攻撃よりは、ポゼッションしてじっくり押し込む風間サッカー的な方向への回帰の意識が強くなりすぎて、ずっと鳴りを潜めてたこの前線からのハードな守備が、今回は見事に復活していて、正直ものすごくびっくりするとともに嬉しかった。なんというか、やっぱりこういうサッカーって本能的に心に響くよね。

前が厳しくチェイスするから、鹿島は曽ヶ端も含めて余裕のないパスが多くなって、その受け手のところも出足よくチェックすることで、インターセプトが増える。そうやって奪ったら、速い攻撃と、ためて遅らせて、鹿島の選手を自陣に戻らせてからじっくり攻めるやり方とを、使い分ける。

前半、なかなか点が入らなかったのは後者に比重がかかっていたからで、ただその遅攻のやり方も、ネットあたりが焦れて縦に無理なパスを入れたり、雑な裏への浮き球を蹴ったりすることなく、サイドを使って相手を動かし、穴が見えたらダイレクトプレーでスピードを上げて仕掛ける。逆にへんな奪われ方をしそうな気配が出てきたら、いったん下げて相手を前に引き出しつつ、また作り直すという、お前らなんちゅう完成度の高いチームだよ、と驚きたくなるようなサッカーをしていた。

思い返せばここまで「今季ベストゲーム」候補だった3月の柏レイソル戦は、やっぱり前線からの守備で相手に何もさせない内容だったんだけど、今回のような遅攻も織り交ぜた完成度はなくて、ある意味、力強くはあるけど単純なサッカーをしていたと思う。そこからのチームの苦悩と修正の積み上げがついに結実した。そう言いたくなるような内容だったと思う。

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鹿島の強さは、伝統的に一対一の球際の強さや寄せの厳しさにあるわけだけど、特に個人的にはサイドの強さがポイントだと思っている。サイドが絶対に一対一で負けず、簡単には突破させず、クロスを上げさせない守備をしてくるからこそ、別の場所に人数をかけられるわけだ。

ところが大岩サッカーは、これもちょっと見ただけの印象にすぎないのでズレてるかもしれないけど、相手をサイドに追い込んで人数かけて奪おうという戦術をプラスしてるように思えた。でも、そのせいでどうして中盤は人が足りなくなる。そこへきて川崎はネット、大島、憲剛、時には家長まで下がってきて中盤の高い位置で回してくる。鹿島からしたらどうしたってボールが奪えず、いつまでも主導権が握れない。本当に苦手な相手に見えるんだろうなと思う。

だからこその後半3バックで川崎のプレスを外し、中盤を厚くして推進力を出したかったんだろうけど、このへんはやっぱり練れていないというか。もし川崎が最近磐田、東京と3バック相手に攻めあぐねているのを見てやってみたんだとしたら、ちょっとなあという感じ。遠藤の低い位置での守備は、2点目と3点目、両方に絡んでいて、そこは采配的には自滅だと思う。

ちなみに鹿島相手に今年は全部で6点取っているけど、そのほとんどがカウンターか、その直後の守備の混乱を突いたもの。ブロックを敷いた時の最終ラインはやっぱりJリーグでも屈指の堅さで、そう簡単に点を穫れる相手じゃない。1点目、西のオウンゴールだけど、大島の「あそこまで(西が)戻ってくるのが鹿島なので」とコメントしていて、まさにそうだと思う。どう見ても決定機なのに、切り替えしたり蹴り足を変えようとしただけで誰かがブロックに飛んでくるあの守備は、本当にすごいと思う。

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とはいえ、やっぱりこのゲームで忘れがたいのは家長でしょ。いやあ、久しぶりに涙がじわっと出た。こんな気分になれるものって、なかなか人生でもない。これでドラクエ頑張れなきゃウソだね。

ずっと思ってたのは、家長は押し込んでポゼッションして崩すプレーの際、感覚が独特すぎるのか、あるいは相手にとって怖いプレーよりも、チームに迷惑をかけないプレーを優先させる回路が、これは性格レベルから染み付いていて、無難なパスが増えたり、味方の動きを利用する、囮にするような意外性のあるプレーがまったく出ない傾向があるということ。

ところが、特にロングカウンターの際には、そういう微妙な選択肢はなくて、とにかくすぐにゴールに向かうか、でなければためて時間を作ってやっぱりゴールに向かうかしかなくて、こういう時にものすごく家長の良さが出る。ずっとそう思っていたんだけど、昨日のゴールは、まさにそういうところから生まれた。

フィジカル的なスピードと強さ、そして独特のテクニックがある、というのが家長の良さで、憲剛だってこれを兼ね備えているわけじゃない。周囲との関係の作り方については、憲剛は「使う」側としてのプレーを磨いてきたけど、家長は、そのへんがずっと曖昧なまま選手としてキャリアを重ねてきてしまったような気がする。

でも昨日は、使うも使われるもない、ボールを持ったら圧倒的なテクニックでゴールに向かう。他の味方も、その能力を信頼して躊躇なくゴールへ走る、というシンプルな役割がハマったんじゃないか。フィットの糸口が見えたんじゃないか、という気がする。要するに、ストライカー寄りのトップ下で、サイドもできるよ的な「王様」ってことだけど。小林悠や阿部ちゃんや憲剛がいる中でも、そのプレーをしてぜんぜん大丈夫で、最終的にはみんなのためになるんだという成功体験を積むことが、今の家長に最も必要なことだと思う。

ちなみに家長が加入してすぐの年初の商店会あいさつ回りで、まだ天皇杯決勝の敗戦の悔しさが残る少年から「鹿島に勝って」とお願いされ、「勝つ、勝つ」と真顔で答えていたことを、ふと思い出した。すごい。有言実行。

昨日は、後半まだ残り時間がたっぷりある段階から川崎の選手は足が止まり気味で、カウンターでシュートまでいけそうなのに止めてみたり、プレーが切れたあと選手が座り込んだりするシーンも多かった。前半のプレスを見て、これ最後が心配だなと思っていたけど、驚いたことに最後まで気持ちが守り一辺倒になることなく、前から戦い続けて、それには本当に感動した。こういうのが「強いチーム」ってことだと思う。オレのドラクエのパーティーも「強いチーム」目指して・・・って、しつこいですね。

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FC東京戦とネット [川崎フロンターレ]

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仕事しなくちゃいけないので、エンジンかかる前のアイドリングタイムを利用して、昨日思ったことをつらつらと。そうでもしないと、すぐに次のゲームがやってきちゃうからね。

磐田戦と続けて見て思ったのは、やっぱりフロンターレの押し込んでの遅攻に対して割り切った対策を取ってこられると厳しいな、という当たり前のこと。昨日のFC東京なんて、大島のところにぜんぜんプレッシャーが来なくて前向いてプレーし放題だったのに、それでもパスの受け手のところをしっかり締めて、そこからの連動もほぼ全部読まれていて、ビッグチャンスを作らせてもらえなかった。

思うに、中断期間のキャンプ後って、どうしてもそこでやったことを中心にやりがちで、きっとキャンプでは押し込んだ状態からの崩しを熱心にやったんだろうなあ。しかも、右からのやつ。そのせいで、攻撃はワンパターンになっていて、ワンパターンってことは、対策が簡単に、効果的にハマるってことで、そりゃ、ああなっちゃう。

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FC東京は磐田と同じ、ハイラインの3バックでコンパクトに守ることをやりたがっていて、でも練度は低いのでオフサイドは取れないし、最終ラインのギャップはけっこう隙があるように見えた。なのにその裏を取れなかったのは、やっぱりフロンターレの攻撃が押し込むことが手段というより半ば目的になっていて、遅いから。

ラインが下がってベタ引きになる状態はFC東京としては避けたいんだろうけど、でも守備という意味では、その状態の時間がある程度あったことで破綻せずに済んだ、という見方もできると思う。攻撃でも、そんな状態からでも、長いボールをウタカが収めてそれを中島翔哉が受けてドリブルで運ぶ、という形はできていたわけだし。まあウタカは前からの守備、中島は中心でゲームをコントロールする意識の部分でそれぞれ弱点ははっきりあって悩ましいところではあるだろうけど、現状ではあの2人が相手としてはやっかいだった。

フロンターレがキャンプの成果にこだわりすぎて忘れていそうなことの一つは、前からの守備の部分だと思う。最終ラインへのプレッシャーからのマイボール→素早い切り替えによるショートカウンターというのが、武器としては完全に捨てられた状態になっている。このあたり、意識のバランスの偏りを早くなくさないと、いつまでも「対策」にハマり続けちゃうんじゃないかと心配。

バランスという意味では、左サイドも、あれいったいどうなってるんだ、というくらい攻撃面での怖さがなく、守備面では相変わらず車屋のクロスやハイボールへの弱さばっかりが目立っていた。車屋とノボリの連携みたいなものも、まったくないに等しいし。本当は、あのノボリのところには家長や長谷川や三好が入るべきなんだろうけど、それができていないのは、現在のフロンターレの弱点だと思う。

あとはネット。最もボールタッチの回数が多いネットのパフォーマンスがゲームに大きく影響するのは、当然のこと。個人的にはジェシのプレーを見ようとたまたま見たアバイー時代のプレーなんかから始まり、加入当初から期待してウォッチし続けていることで、なんだかネットについてはよき理解者のような気分にすらなってるんだけど、昨日思いついたのは、ネットはビハインドの状態だと悪い面が出がちになるのかな、ということだ。雑で、せっかちな面ってことだけど。

昨日も終盤、押しているときに中央でボールを持って、大島が左のワイドでフリーの車屋を使えと指示してるのに、まったく耳を貸すことなく枠外ミドルを打って攻撃を終わらせるシーンがあって、まさにああいうところなんだよな、と思った。

これはもう技術的なことなんかではまったくないわけで、そんなネットのメンタルのコントロールは、ある意味ではフロンターレの最大の課題かも。何しろいちばんボールを触る選手なんだから。

とはいえ、得点差のみならず、相手のプレーや味方の方針も含めた総合的なゲームの状況を理解して最適のプレーを選択するというのは、決してすぐできるような簡単なことじゃない。ネットがキャプテンマークを巻くチームじゃないというなら、小林悠が、大島が、谷口が、その点についてネットとコミュニケーションを取り、コントロールしなくちゃいけない。ここも、フロンターレがあと一段、「試合巧者」になって殻を破るためには絶対に必要なことなんじゃないかな。

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