So-net無料ブログ作成

鹿島戦と怪我 [川崎フロンターレ]

鹿島戦4-1の大勝、決して得点差がついたからというんじゃなく、なんというか、見ていて楽しくて、気持ちの入りまくる、ものすごくいいゲームができた。そしてそれは間違いなく、3日前のACL蔚山戦があったからからこそ実現されたものなんだろうな、と、ゲームを見ているだけで強く確信できるものだった。

鹿島戦1.JPG
試合前は、小宮山の引退の挨拶があった。コミ、本当に大好きな選手だった。怪我がなければ今ごろは代表入り争いくらいしていた選手だと思う。

人生をかけてサッカーをやっているプロサッカー選手にとって、怪我というのはあまりにも簡単にその人の人生を大きく狂わせてしまうものなんだと、熱心に応援するほどに実感させられる。なんて脆いものなんだろうと思うのは、じつは競走馬も同じだったりする。

選手や馬をゲームの「駒」として見ることは別に悪いことではないし、そうしている分には、怪我というのはそのゲームの要素の一つでしかない。ただ、競馬もサッカーも、自分からその深い部分に触ろうと手を伸ばしながら見ている人にとっては、やっぱりそれは仕方ないとわかってはいても、やるせない気持ちにさせられるものではあると思う。コミには、お疲れさま、ありがとうと、心から言いたい。

鹿島戦2.JPG
で、鹿島戦なわけだ。

言いたいことはたくさんありすぎるけど、いちばん思っているのは、このゲームは、ACL蔚山戦のBチームのサッカーを見て、そこにAチームが忘れていた、できていなかった大切なことがたくさん実現されていて、それをお手本にして戦ったものだったといえるんじゃないか、ということだ。

具体的に言えば、これは憲剛もコメントでそんなようなことを言ってるけど、「崩す」というのは、「じっくり」と言いつつ相手が守備を整えるまで待ってからのんびり押し込んで、「ボールを大事に」と言いつつたんにブロックの外でチマチマ繋ぐだけのサッカーではなく、まず球際で戦い、攻撃でも守備でも走り、ボールも選手も前への推進力をファーストチョイスにして、その後にはじめて自分たちのスタイルで「崩す」という、その順番を絶対に間違えちゃいけない、ということなんだと思う。

2点目、ネットがワンツーと3人目の動きを組み合わせながら一気にゴール前に迫ったシーンは、まるで蔚山戦の先制点の際の、あの学の突破をお手本にして、練習してきたかのような動きだった。

もうちょっと細かいところでは、仙台戦までずっと感じられた、選手全員があまりにもみんな同じことをやろうとしすぎて、特徴や個性、役割の違いがないサッカーになっていたのが、これは家長のコメントにあったんだけど、ある程度「使う側」「使われる側」の役割の違いを、全体として大まかに、そしてそれぞれの局面ではその場の状況に従って、意識したプレーをするということができるようになっていた。

全員が同じようにパスを受けて出しているだけでは、一生ゴールは生まれない。かといって、パスを出す人と受けてゴールを狙う人が固定されると、それはそれで相手にとっては守りやすい。どちらも、逆の意味で見ていて単純でつまらないサッカーになっちゃう。

そうじゃなくて、瞬間、瞬間で、ゴールに直結する役割分担がシームレスにできるサッカーがいちばん見ていて楽しいし、フロンターレのサッカーの本質のような気がする。そして、それがこのゲームではできていた。

少なくとも僕の中では、BチームがAチームのお手本になって素晴らしいものが生み出された稀有な例として、たぶんこの連戦は記憶に残ると思う。ほんとにいいサッカーだった。

鹿島戦3.JPG
鹿島は、みんなパスを受けてからどうしようか考えてる、と内田篤人が苦言を呈していたし、これは優勝するサッカーじゃない、というようなことを言っていた。サポも、大岩監督のやりたいサッカーがよくわからない、と言ってるみたいだけど、個人的には、やろうとしていたのは過剰にわかりやすい、鹿島らしいサッカーだったと思う。

2トップがサイドに流れて、そこにCBやSBからのボールで起点を作る。で、そこに2列目が絡んでいく。ボランチは繋ぎ役じゃなく、潰し役。ボールは握れなくていい。そもそも2トップなわけで、中盤はスカスカなんだから、セカンドボールを拾ってショートカウンター的に攻めるのがいちばん効率がいいという考え方で、それは球際の強さで実現させる。球際は全員強かった。知念も驚愕してたけど、どこか別次元に強かった。そして、これらは全部、典型的な鹿島のサッカーの特徴なんじゃないの、と個人的には思う。

問題は、あまりにも典型的すぎること。それこそ仙台戦までのフロンターレじゃないけど、チーム状況が良くないと、全員が意思統一だけでなくプレーも統一しすぎてしまって、単純でつまらないサッカーになってしまう。そういう状態に陥っているように見えた。

あとは、小笠原は、僕はもう限界だと思う。少なくともあの2トップでは、ボランチの運動量は攻守に最大の鍵を握る部分で、なんかもうてんてこ舞いしてアフターでぶつかってるだけだった。三竿も、小笠原の介護をしつつサイドのケアをしたり、なんかもうたいへんそうだった。

2列目のクオリティーも、正直足りていなかった。金崎と鈴木優磨が怖い存在になっていただけに、余計その差が目立った気がする。あそこはやっぱり速いドリブラーがいて、えぐってクロスを供給したり、バイタルをかき回したり、そうやって相手を引きつけてSBが仕事をするスペースを作ったりしないと。レアンドロが離脱してなかったら、フロンターレとしては格段に難しいゲームになったろうな、と思う。ホッ。

ウッチーのプレーを目の前で見るのは不思議な気分だったけど、車屋にぶっちぎられ、数少ないクロスの1本がミスキックに近いものになったりするのを見て、敵ながら、なんかちょっと残念な気持ちになっちゃった。もっと「さすが!」って驚かせてほしかったな。

思えば、うちの奥さんがサッカーに興味を持つきっかけは代表戦で、最初に好きになったのはウッチーだった。そして最初に抱いた疑問は、「ウッチーはぜんぜん得点を取ってないけど、どうして代表に選ばれるのか」だった。ポジションという概念がわからず、代表というのは、ゴール数の多い順に選ばれると思っていたのだという。

それが今では、やっぱ後半、3バックにしてた? とか、試合前のアップ中の審判団を見て、今日の主審、あれ今村じゃない? あ、違った、荒木だ! とか言うようになったんだから、隔世の感がある。そんな奥さんも、この日のウッチーのプレーがキラキラしてなかったのはよくわかったようで、残念がっていた。

最初のコミの話に戻るみたいだけど、怪我っていうのは、サッカー選手の人生を大きく変えてしまう。それも含めて、僕たちは観戦し、応援していくしかないのだ。敵とか味方とかはまた別の話として。

このあとはまたすぐ中3日の鳥栖戦。そしてそこから中2日で神戸戦。すごい日程が続く。鳥栖戦の先発メンバー、どのくらいターンオーバーしてくるのか楽しみなんだけど、どうなるかな。

そういえば、AチームがBチームをお手本にしたって話。見ていていちばん感じたのは、サッカーをする喜び、ボールを受けて蹴る喜び、試合をする喜びを大事にする、という部分が、いちばん大きかったんじゃないかと思う。

僕たちが本当に見たいのは、うまくいかなくてふてくされる選手の姿じゃなくて、そういうものなんだから。

にほんブログ村 サッカーブログ 川崎フロンターレへ
にほんブログ村

nice!(1)  コメント(4) 

nice! 1

コメント 4

モグタン

久しぶりのアバンテでした。
蔚山戦のBチームだけではなく、ミツオもフロンターレが忘れていたことを思い出させてくれた気がします。
球際で身体を張るということ。
アフター気味だなんだはあるにせよ、結果的にミツオのボディコンタクトが、川崎の闘志に火を付けた気がするので、敵ながら感謝です。
セレッソ戦では激しく当たられるといじけてファールを貰いたがっていましたが、この日は腰を落としてガツン、と受けていましたから。
鳥栖も激しく来るし、バテないスタミナを持っているので、鹿島戦での目覚めが本物か否か、試される試合になりそうで、楽しみです。
それにしても昌子は強かった。
今期それなりに当たり負けしなかったチネンケーが、ほぼ完敗でしたから。
日本代表レベルを肌で知ったことでしょう。
その昌子を退場に追いやった大久保は、流石の老獪さでした。
速攻しないでタッチライン際でボールを保持し、何をチンタラしているのか、と思った矢先のあのプレー。
前半につまらない警告を昌子が受けていたことを、ベンチから見ていて記憶していたのでしょう。
明らかにファールを貰いにいく仕掛けであり、その後の181点目ですから。
頼もしいジョーカーです。
鳥栖戦は、下田と守田のボランチに、両SHが斉藤さんとハセタツ、なんていかがでしょうか。
CBは谷口とエドゥーかな。
憲剛は60分間で、その後に嘉人。
by モグタン (2018-04-24 00:00) 

軍土門隼夫

こんにちは。
鳥栖戦は、大島も悠も復帰するみたいだし、神戸戦込みでメンバーがほんと興味深いですよね。
この2戦は見にいけないんで、よけいやきもきします(笑)。

個人的には長谷川センタープレーヤー論者なんで、どっかでトップ下で使ってほしいなあ。学が入った今、それは可能だろうから。

ってな感じでサブも含めてサポが語り合いたくなるのは、チームの状況が良くなってきた証拠ということで(笑)。
by 軍土門隼夫 (2018-04-24 01:32) 

びーとる

こんにちは。鹿島戦のブログ、今更ながら読ませていただきました。というか、土曜日の夕方以降少々忙しく、鹿島戦のDAZNを今やっと見返しているところです。

でも、蔚山戦から鹿島戦にかけて、軍土門さんのブログに、「そうそう、その通り!」と思ってしまうところがたくさんあって、読ませていただいて楽しかったです。ホント、蔚山戦は見ていて楽しかったですよね。みんなイキイキしていたし、試合後のラルフや下田の「良い雰囲気で楽しかった」というコメントを見て、やっぱりサポーターの作る雰囲気は大切なんだと改めて感じました。実際に、平日の消化試合なのに、スタジアムで選手を応援する熱がすごかったですからね。

そこからの鹿島戦ですが、蔚山戦で刺激を受けたAチームを、鹿島のいつものバチバチが完全に目覚めさせてくれた気がします。今ここで鹿島と当たって良かったと思います。

うっちーを実際に見て、あ、うっちーだ!と不思議な気がしたのも同じです。しばらくテレビでしか見ていませんでしたからね。あと、コミは、私も大好きな選手で、ファン感では並んでサインをもらったりしました。フロンターレでブレイクしてすぐに怪我して、いつかそのうちまた本格的に復帰して。。。と期待して待っているうちに引退してしまった気がします。東口も気の毒ですが、スポーツ選手の怪我は、残酷ですね。これからのフロンターレ戦士たち、とにかく怪我しないで頑張ってほしいです。
by びーとる (2018-04-24 15:29) 

軍土門隼夫

びーとるさん、こんにちはです。
やっぱりみんな楽しかったんですね、あの蔚山戦。
そういうのって、たまたまじゃなく、絶対に何かがあるんですよね。

誰が活躍したとか誰がミスしたとかだけじゃなく、
そんなチームの「何か」を見て、感じられちゃうと、
もうやめられなくなりますよね、サッカー観戦(笑)。

鳥栖戦は僕は家でですが、楽しみに見たいと思います。
なんかあんまりターンオーバーしないんじゃないかって予想もあるみたいですがね。。。
by 軍土門隼夫 (2018-04-24 21:17) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。