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ガンバ戦と長谷川健太のサッカー [川崎フロンターレ]

インタビューの達人、吉田豪の本は読んだけど、多い時でどのくらいの頻度でインタビューをこなしていたとか、そういう話があったのかどうかは忘れちゃった。

相手と時間を合わせて、お互いそこに出向いていって、1時間なり2時間なり話を聞いて。聞きながらメモを取ってそれをもとに原稿を、なんて僕にとってというかたいていの取材者にとっては中国雑技団レベルの神業なので、録音をして、あとでそれを聞きながら文字に起こして。そんで、今度はようやくそれを目標の形式、分量にまとめていく。

かようにインタビューってのは手間のかかる面倒な・・・いや、たいへんやりがいのある素敵な仕事なんだけど、さすがにそれが20日間で6本あると、なんだかもう、いろいろ追いつかなくなってくる。

だってその合間には大井のJBC競走に行ったり京都のエリザベス女王杯に行ったり朝早くから浦和美園へ行って結局1点も取れずに準優勝になったり代表の試合をテレビで見たり、あとなんといっても終わったインタビューの原稿を書いたりしなきゃいけないんだから。しなきゃいけないって、全部したいからやってるんだけど。

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そんなきゅうきゅうとしている中で向かったのが、久々のゲーム、久々のホーム等々力のガンバ戦。

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ドール君、じゃないや、ボビー君とじゃんけんをして、見事に勝って袋入りパインをもらったりなんかして。やっぱり、なんかはしゃいじゃうよね、ホームゲームって。

スコアは1-0で、選手の何人かは「難しいゲーム」という言葉も使っていたけど、でも個人的にはそういう印象はぜんぜん残らなかった。逆に、なんか楽しい、というかルヴァンカップの決勝とは違って、選手が心から楽しそうにサッカーをしていた、戦っていたように思えて、そういうものを見ているとこっちもすごく楽しくなってきた、ということなんだけど。

ちなみに11/9(木)に憲剛が新百合ヶ丘へ一日消防署長のイベントで来たとき、トークショーの最後に並んで握手していく中で、一人で見に行ってたうちの奥さんは、このあとのリーグ戦は楽しんでプレーしてください!と言ったそうで、憲剛はそれをちゃんと守ったんだね。えらい。

もちろん、ガンバのモチベーションも含めたデキ自体がかなり良くなくて、フロンターレはわりとやりたい放題にできていた、という面は大きいんだろうけど、それにしても楽しそうにやっていたと思う。

引いて守られても、サイドから、中央から、ミドルで、裏狙いで崩しをかけ続け、だめならCKを取って、ニア、ショートコーナー、ファーと、あの手この手で攻め立てた。こういうゲームを見ると、やっぱサッカーはボールを握って攻撃し続けるのが最大の防御でもあり、最高の楽しみだというのは本質的に正しいんだなあということが肌で理解できる気がする。

特に印象に残ったのは、ソンリョンが終盤までたぶんほとんど1本もロングボールを蹴らずに繋いだことに象徴されるように、ビルドアップの意識は高いけど、だからといって攻撃が遅いわけではないという、ゲーム運びの上手さだった。

相手が引いたときにも、おそらくは意図的にボールを下げて相手のラインを上げさせ、プレスのモードへ移行させてから、あらためてそれを剥がして一気に攻めるやり方とか、素晴らしかった。あれができるのは、やっぱり先制されずにゲームを進められたことが大きいと思う。サッカーは基本的にそうだけど、それにしてもフロンターレは、先制できるかどうかで自分たちの良さの出しやすさが大きく変わるチームだなあと感じた。

あとは、大島がいつになく早いタイミングで、いつもより高い位置から縦に勝負パスを出すのがやけに目立っていて、個人的には、これはこのゲームで最大の収穫だった。悪いリズムのときは、ネットがそれをやろうとしすぎて、攻撃が全部ネットで終わる傾向が顕著だと思うので。

どこまでチームとしてそれを意思統一していたのかはぜんぜんわからないけど、この日に限っては、ネットは相手のプレスを剥がすことに専念して比較的低い位置でプレーしていて、それがすごくよかった。

大島は、よくやるようにネットと役割を入れ替えながらビルドアップに加わる動きはせずに、微妙に下がったところで相手を引きつけておいて、その大島を飛ばしてネットや谷口から、降りてきた憲剛や、これは後半顕著だったと思うけど中に絞ってきた家長に直接、パスを通せるようにしていた。で、結果的にその次のアクションで、大島がゴールを狙うための勝負のパスを出せていた、ということだと思う。

不安を感じた面をあえて探すなら、車屋の交代要員がいなかったことかな。コンディションはあまり良くなかったと思うし、プレーにもそれは出ていた気がする。0-0の時間が続いたこともあって、点を取りに行くなら交代のいちばん最初はここかな、とも思ったけど、そもそも替える選手がベンチにいない。シーズン通して右SBの選手層はフロンターレの泣き所になってきたけど、じつは左SBにも、その不安要素は潜在的にあると思う。

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ガンバは、怪我人続出で攻撃の駒が明らかに足りていなかった。で、そうなるとますます、長谷川健太サッカーの悪い意味での単純さがあからさまになる。思うに、長谷川健太はシンプルな約束事と基本の攻め方、守り方を選手に叩き込むことと、それを遵守させる能力がすごく高くて、それは素直に監督としての能力の高さだと誉めていいと思う。

そういう意味で、個人的には代表のようなチームを作ることにすごく向いていると思っていて、大真面目に、東京五輪世代も森保よりは健太だろうと思うし、ハリルホジッチにもし何かあって急遽代役を探すんだとしたら、長谷川健太って合うんじゃないかなあ、と思っているんだけど。

逆に、一部の選手がクオリティが下の選手に替わったり、コンディションが下がったりしただけで、それがそのままチーム力の低下として出ちゃうのが健太サッカーのダメなところなのかな、とも思う。「困った時の○○頼み」みたいな武器がないというか、そういうものを持たないように普段からチームを作っているというか。あえて言えば「困った時の東口頼み」で、それはもはやチームとして何もできていないということの逆説的な証明だし。

このゲームでいえば、どうして最初から2トップにしなかったのかな、というのはある。2列目のプレスで、フロンターレにボールを前に進めさせないことを重視したのかなとも思うけど、それにしても、あまりに攻撃の起点が作れなすぎて、見ていて気の毒になった。プレスだけのためのメンバーで、それを突破されてしまうと、その後マイボールにしてからのゲームの進め方に、まったくプランがなかったといったところかな、と思う。

まあ敵として見ている分には、何がやりたいのかがわかりやすく提示されるという点で、興味深く観戦できる監督だなあと思っているんだけど。来年はFC東京。楽しみだね。

フロンターレはまたここから少しゲームがなくて、次は浦和戦。参戦予定なので、そこまでには重い仕事は片付けておきたいところだなあ。

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ルヴァンカップ決勝 [川崎フロンターレ]

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もうね、身も心も疲れ果てた。終わっちゃったなあ、ルヴァンカップ。

10時間以上寝て、買ってあったパンとかおにぎり食べて、コーヒー2杯飲んで、ようやく目が覚めたら、やっといろいろ細かいことに思いを馳せることができる状態になった。

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何がショックって、せっかくの決勝の舞台なのに、正直言ってつまんない試合を見せられて負けちゃったことがいちばんつらい。つまらなくなったのはフロンターレだけに原因があったわけじゃなく、展開や組み合わせが生んだ状況なので、誰に文句を言いたいとかそういう話じゃない。ただただ、そういうのってつらい。それだけなんだけど。

トーナメントの決勝って、原則的に「負けない」ゲームができないチームには向かない舞台で、だからフロンターレみたいなチームが負ける場合は、原則的にそういう感想になりがちなんだろうな、ということはよくわかる。でも例えば今年の正月にやった天皇杯の決勝は、そうじゃなかった。負けてめちゃくちゃ悔しくてつらかったけど、つまんなかったという気持ちにはならなかった。悔しさと悲しさの質自体、なんか今回とは違っていた。

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エドゥがどうとか、憲剛がひどいとか、大島を先発させるべきだったかどうかとか、選手ごとに見ていくといろいろ思うところは誰でも出てくるだろうなと思う。でもまあ、固くなりすぎた、イレ込みすぎていた、動揺するなという方が無理な先制のされ方をしたのは不運だけどそれにしても90分間焦りすぎていた、というところを責めたり反省したりしても、しょうがないかな、と思う。そういうのは意識してどうにかなるもんじゃないし、固くなってイレ込みすぎて焦りながら優勝できるならそれはそれで面白い決勝だった、面白い優勝だったってことになりそうな気もするし。

だからここでは、そういうのとはちょっと違ったところで、思いを馳せた部分について。思いを馳せたまんまをそのまま再現するので、だらだらと長文で。

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じつはこのゲームを通して見ていちばん最初に思ったのは、家長はやっぱり押し込む展開じゃなく、オープンな展開、劣勢の状況からカウンターを繰り出す展開で輝く選手なんだな、ということだった。

このことはずっと思ってきたことで、ボールを保持して押し込む展開だと、ボールを保持できる選手は、べつにたくさんいなくてもいい。むしろ逆に、ドリブラーとか、高くてヘディングの強い選手とか、GKとDFの間に素早く滑り込むようなワンタッチプレーヤーが必要になってくる。

引いた相手を崩すこと自体、誰が出ていたって簡単なことじゃないのはわかってる。わかった上で、これまでのゲームを見ていると、そういう苦しい時に家長は、サイドのゴールから離れた場所で細かいボール回しをして、ごく局所的な崩しを陰で支える役に回りがちになる。自分がゴールを決めるからパスをくれ、というプレーから遠い選択をするようになる。

もう1つ。その家長を右で使うのか左で使うのか、という問題がある。同じことは三好にもいえる。この左利きの特徴あるプレーヤー2人を併用しつつ守備も攻撃もうまく機能させる、という状態を、じつは今季のフロンターレはほとんど達成したことがない。もっというと、長谷川の左右問題と、小林悠の真ん中1トップ問題も同じで、これらの問題の組み合わせを1シーズンやってきた結果が昨日のフォーメーションでありサッカーなのだとしたら、鬼木監督はちょっと自己分析ができてなさすぎたんじゃないかな、と思うのだ。

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今季、フロンターレはすごく粘り強く戦って勝ち点を積み重ねてきたけど、最初から怪我でメンバーを欠きがちで、お世辞にもタイトルを取りそうなサッカーはできていなかった。そんな中、本当の意味でチームが完成してきたな、答えがかすかに見えたな、と思えた瞬間はいくつかあった。

最初はたぶん、5月。リーグ戦のアウェイでセレッソに惨敗した次、10節の新潟戦から3連勝したところだ。ここで何が良くなったのかというと、ついに阿部ちゃんがフィットしたのだ。

もっと具体的にいうと、小林悠の1トップじゃなく、阿部ちゃんの1トップで小林悠が右、でも逆の風味もあって、そのへんは流動的にいこうぜ、というのが完成した、というところだった。それがいちばんよく出たのが、3連勝目、アウェイの鹿島戦で3-0で勝ったゲームだ。2列目の左には長谷川が入って、以降、長谷川はこの位置で輝くことになる。

逆にいうと、この後の阿部ちゃんが怪我で離脱してからの結果というよりは内容を見ていくと、阿部ちゃんのいないフォーメーションで小林悠の1トップというのは、じつはシーズン序盤にあまり点が取れなくて苦しんだ時期と同じことを繰り返しているだけだった。

そして、長谷川が左で活きていたのにはスピードを活かして深い位置へのロングボールに追いついて起点となれること、右利きなのにエンドラインまでえぐってドリブルして、そこから中に入ったりできること、右利きだから車屋が仕掛けるスペースを作れることとか、いろいろ理由があった。でも、それをこの大事な舞台でいきなり右SB起用というのは、さすがにおかしい。右のタッチライン沿いから浮き球のクロスなんて、きっと彼のサッカー人生でもあまりやってこなかったプレーで、それをこんなレベルの舞台でやれというのは、ちょっとまずいと思う。

で、チームは同時進行的にACLや天皇杯をこなすことで、少しずつ家長がフィットし始める。そこで、アウェイのマリノス戦だ。阿部ちゃんはいて、長谷川もちゃんと左にいた。ただこの試合、家長がリーグ戦初先発だった。ポジションは2列目の右。そしてここで、チームは引いたマリノスをまったく崩せず、カウンターでやられて0-2で完敗する。右サイドのタッチライン際でボール回しはするけれどゴールの匂いのしない家長のプレーは、今回とそっくりで、ビデオを再生しているみたいだった。

家長がフィットして最初の完成形は、偶然ながらまた鹿島戦、ホームで3-1で勝った22節だと思う。8月半ばのことだ。この時、2列目の左はノボリ。この頃は、長谷川とポジション争いの形で、相手によってどちらかが先発、という感じになっていた。正直、具体的なプレーで家長とノボリの相性がどうというのはわからないけど、結果を見ると、この組み合わせの時はものすごく成績がいい。

で、この後は前は阿部ちゃんと小林悠が得点を重ねることで、家長の適性についてはそんなに気にならなくなっていく。でも、そこで阿部ちゃんが離脱する。できることは小林悠の1トップ。流動性は確実に失われる。ちなみに誰も言わないけど、阿部ちゃんのいた9月、アウェイの神戸戦。試合前は誰も彼も小林悠のバースデーゴールの話ばっかりで、阿部ちゃんを含めチームが、誰よりも悠本人が、悠にゴールを取らせようとしすぎたことで流動性が失われたことも無得点に終わった理由の一つだと思う。

そして、こういう状態では2列目は家長と誰が合うのか、という問題が起きる。たんに阿部ちゃんの代わり、ということじゃなく、サッカーの内容が変わってくる感じなので、じつはこれ、すごく大きな問題だった。

で、この問題、仙台とのゲームがどれも退場者が出るスクランブル的な時間帯が長かったことなんかもあって、なんとなく解決しないままきちゃった、というのが個人的な感想だ。そうこうしているうちに知念が出てきて途中から2トップぽいことができるようになったりして、よけいここは放っておかれた。

とりあえずの答えは、三好か長谷川だ。長谷川なら左で、家長は右。この組み合わせはある程度計算は立つけど、例の「引いた相手」問題の解決にはなっていない。

そして三好の場合なんだけど、じつはこの三好と家長の組み合わせ、先発で長い時間試したことは、これしかない。

天皇杯の栃木ウーヴァ戦
ルヴァンカップ仙台戦2nd
リーグ仙台戦
リーグ柏戦

天皇杯と、大雨の柏戦は実質、参考外。ルヴァン仙台戦は後半早々奈良が退場、リーグ仙台戦は前半で家長が退場している。全部参考外とも言えないこともないが、ただ仙台戦はどちらも、前半の内容は良かった。というか、すごく良かった。

そしてこれ、どちらも三好は右、家長は左だったのだ。今回とは逆で。

三好はこの後、家長が出場停止でいない広島戦は右で、左は長谷川という組み合わせでいいプレーをしている。そのポジションにいると、ライン際で張るのではなくどんどん中央に入ってきて憲剛を絡めた崩しに参加していく。現在のフロンターレでは、三好にとっては2列目の右が最も輝けるポジションだ。

一方の家長は、この組み合わせの時は、左に張って完全にアシスト役、チームの潤滑油役に徹していた。そしてその組み合わせは、そんなに悪いものじゃなかった。繰り返すけど、フィットし始めたのは長谷川との組み合わせで、自身は右でプレーする形。ただし押し込む展開では良さが出ない、という状況だった。

要するに、じつはこの組み合わせはそれほど成熟させたものじゃないけど、やるならば、せめて家長は左、三好は右でやらせたらよかったんじゃないかな、ということが言いたかったのだ。ああ、長かった。

シーズンを通して選手を見てきた監督の判断なんだから何かあるんだろうけど、でも、少なくともこのフォーメーションは、今回は成功はしなかった。三好は右でうまくいっていた時のように中に入ってこようとするけど、カットインからのシュートの脅威が減る分、相手は守りやすくなっていた。車屋との連携も練れているわけがなく、正直、左サイドの攻撃は低レベルだった。車屋も車屋で、左足と縦の突破は徹底して切られていて、何もできずに1試合を終えた。

そして家長もまた、左足を完全に切られて、仕方なく縦に行って、エンドライン際でソウザがやってきて囲まれて奪われるというくらいしかできることがなかった。引いて守る相手を崩すイメージが、これまでと同じくなかった。

というわけで、「ザ・左利き」的な三好と家長の共存は、すごくスイートスポットの狭い手だと思うんだけど。なのに、よりによってどうして今回は三好が左、家長が右だったのか。

交代策も、だから三好に替えて長谷川を入れたのは、最初の手としては悪くないとは思う。でも、その長谷川を右SBというのは、間違いなく積み上げのない悪い意味のギャンブルだった。

また、エウソンを替えるなら、まだノボリの方が理に適っていて、その場合は右サイドの右利きが一人もいなくなるので、家長に替えて知念か阿部ちゃんを早々と投入して、小林悠が右、とか。同じギャンブルをするなら早々と家長を替えて2列目は長谷川と三好、とか。

トーナメントの決勝という舞台は、それまでと同じことだけしていてもダメ。そこを勝つためのサッカーをしないと。

逆に、こういう大舞台だからこそ、自分たちが積み上げてきたものを信じてそれに殉じないと。

どっちにも真実があって、でもそれは結果の話だったり、結果によらない満足度の話だったり、つまり真実は、関わる人の数だけある。最大公約数、というのは、いい考え方とは思わない。だって割り算したら嵩が減っちゃうじゃん。

ひたすら、人の数だけあるものをすり合わせていく、その苦労や、苦労に対する想像力だけが、真実として残る。そういうものなんじゃないかな、と個人的な信条としてだけど、強く思う。

この後のリーグ戦になるのか。あるいは来年の何かのタイトルになるのか。当たり前の言い方すぎるけど、次は勝てるといいな、優勝するところが見たいな、と思う。心の底から。

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ルヴァンカップ決勝進出 [川崎フロンターレ]

仙台の1stレグは行けなかったけど、昨日は等々力で泣いてきた。

仕事しなきゃいけないんで急ぎ足で。

というか、なんちゅうホーム&アウェイだよ、まったく。2戦とも、リードしてる方が退場者を出して、そこから必死に凌ぐ展開になるとか、マンガじゃないんだから。しかも昨日は後半7分で10人になっちゃうんだから、もう生きた心地がしなかった。

この2戦で思ったことをつらつらと。

ACL浦和戦で退場者を出して逆転負けした直後は、守りに入るその選択自体は決して間違っていなかったという論調もあったように見えたけど、監督はじめチームが、あれはやっぱり間違っていた、ということで意識を揃えていたことには、ちょっと感動した。

ああいうときにできるのは、中央はとにかく固めて、サイドは人数はかけられないけど、スピードと運動量のある選手を入れて、とにかくボールホルダーについていく。簡単にクロスを放り込ませない。で、いざボールを奪ったらそのサイドの選手は走って、焦って上がっている相手のサイドの裏へ。どんなチームでもできることはほぼそれしかない。そして大事なのが、そこへ長い球を配給できる選手。憲剛のことなんだけど。

もう1つ。1戦目は車屋が不在ということで3バックで臨んだけど、個人的に最終ラインの守備ってのは、システムよりも選手同士のユニットとしての成熟度の方が、より重要だと思う。そうやって考えてみると、谷口と板倉のCBとしての連携はたぶん今季初で、それ以前に、谷口が3バックの中央としてプレーしたこと自体、じつは今季はほとんどなかった。

逆サイドも、奈良が3バックの左でその前が長谷川という形も、やっぱり初めてだったんじゃないかと思う。そしてこちらもそれ以前に、守備時には5バックにならなきゃいけないポジションで長谷川を使うリスクも想定できていたはず。

そんな布陣を、中3日で試すというのは、これはベンチのミスだった、ちょっと相手をナメていたんじゃないかな、と思った次第。このあたりは選手の覇気だけに敗因を求めず、ベンチも冷静に振り返っておいてほしいなあ。

それにしても、森谷のこの秋のプレーは本当にすごい。最初に驚いたのはルヴァンカップのFC東京との1戦目で、そこからはずっと素晴らしいプレーができていると思う。昨日も、1点目は森谷が持って2つほどドリブルを入れて前に運んで、そこに相手がみんな注意を奪われたからこそ、次の瞬間の縦パスと三好の裏抜けがあんなに綺麗に決まった。ああいうところは、まさにフロンターレの崩しだな、と思う。

家長のすごさはもう語るまでもない。昨日は左サイドに入るということで、自分がゴールを狙うんじゃなく別の役割をするんだという意識が強かったと思う。きっと相手サポはみんな、家長があんな走って献身的に守備までするとか無敵すぎて反則だろ、と思ってるんだろうなあ。

長谷川はやっぱり中央付近でボールを受けると、最も本質が出るような気がする。チーム事情もあってスペースのあるサイドでドリブルを求められることが多くて、いわゆる「サイドの守備」も含めて得意ではないことにもチャレンジしなきゃいけなくなっているけど、たぶんいちばん活きるのは今の憲剛の位置、そうじゃなければあんまりフロンターレはやらないけど、2シャドーの一角、みたいなポジションなんだろうなと思う。ともかく、他の選手とのプレー上の関係の作り方の重要性を知っていそうなところとか、個人的にものすごく評価してるし、期待してる選手なんだよねえ。

にしても、仙台は強かった。本当に強い。こんなに判断が早くパスが繋がるチームって、そうないと思う。ボール、奪えないもん、ぜんぜん。攻撃のクオリティも高くて、なんというか理にかなった判断を全員がしていて、その意識が揃ってるという気がする。いいチームだ。

もちろんそのために犠牲にしているところもあって、全体をコンパクトにしなきゃいけないため、最終ラインの裏には広大なスペースができる。特にサイド。引いてブロックを作られたときに前がかりに攻めて、そこを突いたカウンターを食らうというのがいちばん弱点になるサッカーをしてる。自分たちがブロックを敷いたときですら、最終ラインは他のチームに比べて高めで、裏は常に弱点になる。あとは、相手陣内に人数をかけて、奪われたらみんなで走って戻るサッカーは、いかにも暑い時期には足が止まるタイプのものだ。

でもまあ、万能な戦術なんてこの世にはない。大事なのは、そうしたサッカーを志向して、本当に高い位置でパスがポンポン回るところまで持ってきたこと。実現にはそれなりの覚悟と鍛錬が必要で、そこを貫いたというのが伝わってくる。素直に賞賛したい。

で、そんな手強い仙台と、また来週リーグ戦で対戦しなきゃいけないのね。。。いやはや。手強いだけに、ホーム等々力でできるのはありがたいね。

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思い出した2012年の春 [川崎フロンターレ]

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あまりにも悔しい大逆転負けだった。なんというか、サッカーという以前にスポーツというものが持っているリアルさをこれ以上ないほど感じてしまうゲームだった。

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こんな結末になった原因は、そりゃ選手がコメントで言うように「(車屋の)退場がすべて」ということにはなるんだろうと思う。でも冷静に見れば「得点差的には有利で、戦況的には不利」という複雑な状況への対応がカギとなったわけで、つまりこのチームにはそういう能力が足りなかった、という形で「負け」を認めるというのが正しいのかな、という気もしている。

多くの人は、2009年のACLで名古屋に逆転負けを喫したケースを思い出すんだろうけど、僕は当時リアルタイムで見ていなかったこともあって、ちょっと違うものを思い出した。僕の頭にぼんやりと浮かんだのは、2012年春のことだ。

あの春、フロンターレは浦和相手にアウェーでなんと2人多い状況で勝ち切ることができなかった。浦和が先制し、後半、フロンターレが追いつく。その後、浦和は74分に阿部、80分に槙野が退場してしまう。その最後の15分プラスアルファの時間で、フロンターレは勝ち越し点を決めることができなかった。確か、スタンドからはブーイングが巻き起こったと思う。

でも、もっと強く頭をよぎったのは、その次の試合、ホームのFC東京戦だったりする。

このゲームは、前半はスコアレスドロー。後半開始早々に長谷川アーリアジャスールが退場して1人多い状況となったが、最後まで得点できず、逆に終了間際、CKから森重に決められて0-1で敗れてしまったのだ。ブーイングどころじゃない。これを最後に、相馬監督は解任されてしまったほどだ。

このFC東京戦で思い出すのは、数的有利な状況にも関わらず、ほとんど互角にしか見えなかった後半のゲーム内容だ。東京はよく走り、効果的にボールを繋ぎ、時間帯的にはフロンターレが押し込まれてブロックを敷くシーンも多く見られた。

試合後、東京のGK権田は、こんなことを言っている。Jリーグの公式から。

「数的不利な練習で繋げなくて怒られるという超理不尽な練習をしていた。その時のことが頭をよぎった選手も多いと思う。今年ラインが高くなったが、どうせやられるならやりたい事をやってやろうと。プレーが切れるたびに下がったらダメだと思ってやっていました」

当時の東京の監督はランコ・ポポヴィッチ。彼のコメントはこうだった。長いけど公式から引用。

「早い判断力。そして、運動量。そしてボールをうちの方が握ることでリスクを避けました。たとえばうちが少ない人数でボールを回すことで相手は少ない相手に回されるとナーバスになりますし、逆にラインをズルズル下げてしまうと相手にとってチャンスになる。うちにとってはピンチになる。自分たちのラインを下げて、自陣のゴールの側でボールを弾かなければならなくなる。ボールを奪わなければならなくなる。それだけ相手に点を取られるリスクも高まると私は考えています。それで高いラインを保ち、判断を早くして、そして動く。そういう形でリスクを回避しました。とにかく一番に言えるのは相手よりも賢く戦えたということ。それに尽きると思います。ただ、それは私がやったのではなく、うちの選手がやったわけで、うちの選手を褒めたいと思います」

当時、この「数的不利な状況の練習をしていた」ということに驚愕したことは、よく覚えている。それ以降も、そんな練習をしているという話はどんなチームでも聞いたことがない。

だからもちろん、そういう練習をしておくべきだった、なんてことを言いたいわけじゃない。でも、浦和側の気持ちになれば、1人多くて、でも得点差は不利なのだから、まさに焦って前がかりに出る以外には考えられない状況なのだから、そこを逆手に取るべきだった。フロンターレが、いつものクオリティのサッカーをベースに1人少ない状況用にアレンジして展開できれば、浦和はポポヴィッチが言うようにどんどん「ナーバスに」なっていく。チームの意思統一に綻びが出たり、ミスが多くなったりすることも期待できる。それなのに、よりによってドン引きはないだろう。しかも谷口ボランチという、守備でも攻撃でもうまくいった試しがないフォーメーションにしちゃうなんて。

もともとサイドが高い位置を取ることが強みでもあり弱点でもある浦和は、この状況では当然、その特徴を全面に押し出してくる。なので、両サイドだけは人を付けてぴったりマークし、中は1人少なくてもとにかく固めて、ひたすら弾き返す。

もしボールを奪ったら、とにかく高い位置を取っている相手のサイドの裏へ前線の選手が走り、そこへボールを出す。となれば、まずは交代で投入すべきは長谷川だったろう、と思う。

そうやってロングカウンターの形になっても、もちろん、よほどのことがない限り中央の相手ゴール前も数的不利だろうから、現実的な狙いはコーナーキックを取ることが優先ということになる。そうなれば、相手は戻って来ざるを得ないし、その分、時間も相当稼げる。

というのは見ているだけだから言えることで、昨日の浦和の選手の球際の強さはそうやって口で言うことを簡単に実行させてもらえるものじゃなかったというのは、よくわかってもいる。でも、あそこでドン引きの判断は、絶対に間違いだったとも思う。

思えば、フロンターレはもう何年も、「いかに相手を圧倒するか」だけを考えてきた。サッカーの内容もそうだけど、選手のメンタルも、そこに特化してきた。そのツケが、こんな形で出た。ほとんど唯一といっていい、最も苦手な状況が、リーグ戦の1試合ではなく、トーナメントの大事なところで来てしまった。そういうことなんじゃないか。

すごく残念だけど、でも負けてしまったものはしょうがない。今すべきことは、この経験を後に活かすことだと思う。

つまり、残ったカップ戦で、もしまたこんなタフな状況に陥ったとしても、今度は動じないこと。

そして、このままリーグ戦でも崩れていったりせず、来季のACL出場権を獲得し、リベンジすること。中2日で次のゲーム、というこの状況で、そういう方向にチームを導けるかどうか。すべては鬼木監督のマネジメントにかかっている。期待してます。

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夏の終わりの皮算用 [川崎フロンターレ]

お久しブリーフ! とアジアで、いや世界で初めて口にしたのはダンディ坂野だったような気がするけど、じゃあお久しブリ大根! は誰だったっけ。道場六三郎? 違うか。お久しブリトニー・スピアーズ!は? そもそも今思いついただけなので、誰も言ってるわけないか。

ともかく、ぜんぜん更新しないうちにいつの間にか夏がほぼ終わりかけててびっくりした。今年は湿気ばかりがひどくて強烈な陽射しの印象がないまま7月が過ぎていって、秘かに「まだ梅雨明けしてない説」を唱えてさすが!目のつけどころが違う!みたいな感じで感心されようとしてたんだけど、まさかそのまま秋の気配が漂ってきてしまうとは誤算だった。

今年の夏は、札幌にこそ行ったけど、福島、新潟のいわゆる「夏競馬」開催にはいちども行けなかった。もちろん小倉もだけど。その代わり、フロンターレの試合はずいぶん行った。いや、仕事じゃないので特に何の代わりにもなってはいないんだけど。

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甲府では、ほうとうも食べた。

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花火も見た。花火大会なんてもう何年というか何十年もわざわざ行ったりしてないけど、ひと夏に1回は、どっかのスタジアムで花火を見せてもらってる気がする。清水戦とか磐田戦とか。花火って、たまに見るといいよね。なんかすっきりするというか、気持ちがゆったり大きくなれるような気がする。本当に。

競馬は今週から秋競馬、開催が中央に戻ってきたけど、Jリーグも、いよいよ終盤戦の匂いが強くなってきた。天皇杯とかルヴァンカップとかACLとか、カップ戦もここから佳境に入るし。きっとここからあっという間に日々が過ぎて、気づいたらもう年末じゃん!ぜんぜん更新してなかった!お久しブリックパックのフルーツ味!とか叫んでるんだろうな、いやになっちゃうよな、もう。

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マリノス戦、圧勝に近い完勝だったねえ。この気持ちよさは、このカードが広義の意味で「ダービー」であることの何よりもの証明な気がする。内容より、とにかく結果、勝敗というか。

まあ今回はその内容も文句なし。感触としては、鹿島をホームでやっつけた時と似ているかな。

凄いと心から思うのが、今シーズンはいわゆる「風間サッカー」に球際の厳しさとハードワークと守備の意識をプラスした、みたいな言い方がよくされていて、実際まさにそういうサッカーが実現されているんだけど、それって口で言うような簡単なことじゃないはずなのだ。

普通は、目指すサッカーがあったら、それに合った選手をチョイスして、指導していくことが必要なはずなわけで。現在いる選手たちの資質が、たんにボール捌きのテクニックだけでなく、そういう方向でも伸びしろがあったということ自体が、まずすごいことだと思う。

加えて、例えば2年くらい前のフロンターレと現在を比べると、前線ではレナト&嘉人が阿部&家長に代わっているわけで、ハードワーク、守備、という意味では、この変化ってめちゃくちゃ正解というか、長いスパンで考えて前向きな補強だったということをあらためて感じるのだ。

阿部ちゃんに関しては、そういうサッカーを志向する鬼木があらかじめ強い希望を出してオファーした、ということが容易に想像できるけど、家長に関しては、長らく「他のチームメイトがハードワークして奪ったボールを家長に預ける」というサッカーを大宮でやってきたわけで、それをチームのために走る、という役割を優先させることで結果的に目指すサッカーにフィットさせた鬼木の選手マネジメントは、これは相当賞賛されるべきものじゃないか、という気がする。

逆に嘉人やウタカを獲得したFC東京なんかは、篠田体制2年目の今年初頭は、じつは前からのプレッシングサッカーを志向していたとのことで、その補強、編成からまずちょっとズレていた。三田を出し、阿部拓馬や河野を放出というか、シーズン途中で出て行かれたのも、目指すサッカーに最低限、必要な人材の流出という意味では、失態とすら呼べる。おまけに嘉人がそんな中で異分子的に「つなぐサッカー」を浸透させようとするのを抑えきれず、中途半端に尊重したまま使い続けるマネジメントは、そもそも何がやりたいんだこのチームは、と言われても仕方ないものだと思う。腹が座っていないというか。

まあそこから森重と室屋が怪我したのはかなり痛かったと思うし、中島の移籍で、攻撃も完全に手詰まりに。このところの崩壊は、とどめのようにCBのチャン・ヒョンスが怪我でいなくなったことが直接の契機だとは思うけど。

マリノスは、まあ本人たちやサポがいちばんよくわかっているんだろうけど、サイドで裏に走る齋藤学とマルティノスしか攻撃のストロングポイントがない、という単純さが、先制されるといきなりきつくなってくる理由だと思う。あと武器はアマジュンのセットプレーのキックくらいで。

先制されずに我慢比べをというのがマリノスの狙いなんだろうけど、サイドに比べて中央の守備が固そうに見えてそれほどタイトじゃないというところを、今回はうまく突けたと思う。深い位置ではボンバーが待ち構えているけど、バイタルではわりと前を向き放題で、もちろんそれはボランチの意識がサイドに行ったところを中央に戻す、という作業をフロンターレが繰り返しているからそうなっているわけだけど、それにしても、という感じだった。あそこまで憲剛、大島、ネットが楽に前を向いてボールを持てたらね。憲剛が早い時間帯にそのあたりからミドルを1本、打ったけど、あれはまさにそういう狙いを体現した、あるいはチームメイトへのメッセージ的な意味があった。大島のミドルの伏線になったんじゃないかという気がする。

このあとは怒涛の連戦。まだ誰も指摘してないけど、もしACLとルヴァンカップでどっちも決勝に進めれば、10月末から11月頭の日程がアホみたいなことになりそう。中1日でリーグ戦とか、中2日でガンバと連続対戦、とか。勝ち進んだチームだけじゃなく、リーグ戦の相手も理不尽な日程を強いられそうな気配があって、きっといろいろ不満の声が出てくるんじゃないかな、という気がする。

まあしょせん、獲らぬ狸の皮算用ではあるけど、でもルヴァンに関しては狸を獲ったからこその皮算用なわけで。なんてね。

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